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過渡な食事制限が引き起こす「ダイエット臭」を予防する方法
低炭水化物(糖質制限)ダイエットなど食事を制限する方法は、「ダイエット臭」を引き起こす原因といわれています。痩せるために体臭がひどくなってしまっては、また別の悩みを抱えてしまうことになりますので、今回は予防法についてご紹介したいと思います。
ダイエット臭の3つの原因
ダイエット臭には大きく分けて「ドライマウス」「乳酸」「ケトン体」の3つの原因があります。
◇ドライマウス
口の中が乾燥する「ドライマウス」になると嫌気性細菌が繁殖し、さらに唾液の分泌量も少なくなるので口腔内を洗浄・殺菌する作用も低下してしまい、口臭が強くなることが認められています。
一般的には空腹時や寝起き直後、喉が渇いている時などがドライマウスの状態です。
つまり食事制限を行うと常に空腹状態が続いてしまうことになりますので、唾液の分泌量も減り、口の中が乾燥してしまうので口臭が強くなるというわけです。
◇乳酸
筋肉がエネルギーを生み出す際に代謝がうまくいかず不完全燃焼によって生成されるのが「乳酸」です。この場合の不完全燃焼とは、主に血行不良と酸素不足。
通常は炭水化物(糖質)がエネルギー源となるのですが、人間の脳は糖質が不足すると今度は脂肪を分解してエネルギーを作ろうとします。
その段階で生成されるのが脂肪酸です。
ただ、糖質が不足すると筋肉量も落ちてしまうので、基礎代謝がうまく機能しません。
その結果、体の血行が悪くなり、酸素の供給も減少してしまいます。
酸素不足の状態では、脂肪酸は完全に燃焼してくれず、この不完全燃焼によって乳酸を作り出してしまうのです。
乳酸はアンモニアと一緒に汗として体外へ出る性質があるので、汗をかいた時には臭いが強くなります。「ちょっと汗くさいかな」と気になるレベルです。
◇ケトン体
エネルギー源である炭水化物(糖質)が食事制限により不足した状態が長く続くと、体が飢餓状態になったと脳が判断し、脂肪酸の不完全燃焼もさらに続くことで、今度は「ケトン体」という物質が発生します。
このケトン体は甘酸っぱい臭いで、鼻につく強烈な刺激臭が特徴です。
血液中に増加すると口臭として臭い始め、さらに汗や尿などへ拡大し最終的には全身から臭いを発散させます。
このように「ダイエット臭」は、炭水化物(糖質)が不足することによって筋肉量が減少し、基礎代謝も低下することで生み出される乳酸やケトン体が大きな要因となっているのです。
ダイエット臭の予防方法
筋肉量が減り、代謝機能が低下していることが原因ですから、逆にこれらをアップさせればよいということになります。
◇運動による筋肉&代謝アップ
ダイエット臭の原因であるケトン体を燃焼できるのは筋肉と脳だけです。よって運動をすることで筋肉量が落ちてしまうことを防ぎ、ケトン体を消費してくれます。
具体的には水泳やジョギング、ウォーキングなどの「有酸素運動」が全身の血流も良くなり、代謝機能をアップしてくれるので効果的です。
20分以上続けて運動することが理想的ですが、軽い筋トレやストレッチなど、とりあえず体を動かしていれば代謝は高まります。
◇食べ物で予防する
食事制限によるダイエットでケトン体が多くなってしまうと、体が酸性に傾く傾向があり、これも代謝機能低下の原因となってしまいます。
代謝は酸性だと弱まり、弱アルカリ性で活性化します。
ですからアルカリ性食品を多く食べればダイエット臭の予防になりますので、昆布やワカメなどの海藻類、野菜、果物、大豆などを積極的に食べるようにしましょう。
また、クエン酸は燃焼力を高めてくれるので、梅干しやレモン、いちご、キウイなど柑橘系の果物も効果があります。
ちゃんとプログラムに申し込んで低炭水化物(糖質制限)ダイエットを実践している方であれば、食事の管理やトレーニング方法をサポートしてくれるのでダイエット臭の心配はないと思います。
ただ、自己流だと痩せることだけを意識してしまい「炭水化物を食べなければいいだけ」など間違った方法で実践してしまい、ダイエット臭を発生させてしまうことになりかねません。
ダイエットをしていて体臭が気になりだしたら、「過渡な食事制限をしていないか」「適度な運動はしているか」など一度見直してみてください。